営業でお客様の信頼を得る簡単な方法は?
飛び込みの営業。店頭での販売。営業や接客業ではお客様との信頼関係が重要となります。
しかし、学校や職場の仲間とは違い時間が限られている!つまり、短時間で相手の心を掴んで仲良くならなきゃならない訳です!
では、短時間で初対面の相手と仲良くなるにはどうすればいいのか?
相手を褒めることです。
なーんだ!そりゃわかってるけど、苦手なんだよね。短時間で相手の良いところなんてわからんよ!って思ってしまいがちですが、コツがあります。
まず、相手の「こだわっていること」を外見で探すんです。
こだわっているというのは、他の人と違うところ。時計、靴、髪型、ネクタイ、シャツ、口紅、ファンデーション、肌の艶、香水、筋肉、歯などなど。いたるところに目をやると意外と見つかるものです。
わざわざ時間をかけてセットした髪型、高い金を出した時計。磨き上げた靴。なぜそんなもんつけたり、時間をかけているのか?誰かに褒めて欲しいわけです。
ただし、褒め方にもコツがあります。褒めるタイミングや言い方などこれには練習が必要です。
この相手を褒めるというのは褒められた経験の少ない人ほど苦手のようです。
まずは、会社の同僚や上司。家族や友人の褒めどころを探してさりげなく褒めてみましょう。ガッツリ食いついてくるようなら成功です。
商品の知識や誠実さはもちろん重要ですが、それよりも前提としてまずは相手に気に入ってもらうというのは土台となります。
短時間で相手に気に入って貰うためには、相手を褒める!これが最も最短コースなんです!
恐怖心を煽っても商品は売れない・・・
病院で真っ黒になった肺の写真と一緒に「タバコをやめよう」と文字の入ったポスターを目にすることがありますね。
これは、相手に恐怖心を与えて説得を促す心理的な方法です。
これをビジネスに応用しているケースもあります。
しかし!実は、コレ、やりすぎると逆効果になることもあります。
アメリカの心理学者ジャニスとフェシュバックが行った「口腔衛生のアピール」実験では、Aのグループに虫歯の末期症状の悲惨な写真をBのグループにはAよりはマシな虫歯の写真をCのグループには健康的な歯の写真を見せて「歯は大切にしましょう」といった講義を行いました。
どのグループがもっとも講義の内容に同感を得たか?
Aのグループがもっとも悲惨な虫歯の状態を見ているので恐怖心から「こうならないようにしよう」と感じると思いそうですが、実は逆!!!
同感した人はCグループがもっとも多く、次いでB、そしてAとなりました。
これをジェニスとフェシュバックは、こう分析しています。
人は、無意識に不快感を与えた情報を忘れようとする。与えられた恐怖感があまりにも強いと、受けてはコミュニケーションの重要性を無視したり、過小評価することによって自我を守ろうとする。
つまり、説得の効果を高めるためには、相手に適度な緊張感を与えることはいいのですが、強い恐怖を与えてしまうようでは逆の効果となってしまうわけです。
白アリ退治のチラシなどで「さすがにこんな状態にはなってないだろう」という写真が載っていることがありますが、そう思わせてしまうようだとやり過ぎってことですね。
部下の叱り方
仕事が遅い。言われた通りに仕事が出来ない。
そんなものならまだ良い方!
仕事をすっぽかす。お客との約束を守らない…。
上司になれば部下を叱らなければならない時は必ずあります。
よくいる上司で「あの人は温厚で良い人だ」などと言われ怒れない上司がいますが、これは上司としては失格ですね。叱る時にはしっかりと叱ってあげなければなりません。
ですが、叱り方が悪いと相手のモチベーションを下げたり、会社全体の空気を悪くしたりしてしまうこともあるでしょう。
では、どのように叱るのが正しい叱り方なのか?
部下を叱っている時の表情、言葉・・・。実は、そんなものは、実際どうでもいいのです。
私事になりますが、学生時代野球部に入っていました。
友達と二人でランニングをさぼっていたのですが、その時にキャプテンから友達だけ叱られたのです。
「新入生で一番期待してるのにお前、何さぼってんだ!」
それを言われた友人は、心の底からキャプテンに誤っていたようですぐさまランニングを始めました。
一方の私は、まるでやる気なしです。友人は期待していると言われているのに私は無視・・・。それ以降、キャプテンが卒業するまでの間、私はキャプテンの言うことを心の中で否定し続けていました。
つまり、自分を認めてくれていない人の言うことなんて、どんなにその人が正しいことを言おうが、相手には届かないのです。
キャプテンの言うことは聞きませんでしたが、先輩で「お前、俺と同じような体格で小さいけどすばしっこからセカンドやれよ!」と言ってくれた先輩は大好きでボールの投げ方やとり方、バッティングまでその先輩を真似したのを覚えています。
実力差でいえば、おそらく大好きだったセカンドの先輩よりも4番バッターのキャプテンの方が上でしょう。ですが、自分を認めてくれた方の先輩の言うことを聞き続けたわけです。
部下を叱る時も一緒なんです。
まず、相手を認めない限りは、どんなに正論を言っても、どんなに数字で伝えてもダメ・・・。
まずは、相手を認めなければ届きません。ただの怒り損です。
叱っても全然応えない。一向に変わる気配がないのは、相手ではなく、自分がその人を認めていないからなのかもしれません。
売りたい商品はストーリーを語れ!
車の営業、電気屋さんの店員。よく勉強しており、一生懸命商品のスペックを説明してくれる方がおります。
しかし、お客さんの立場に立つと意外とピンとこないもの。
もちろん、商品の特徴、スペック、ランニングコストなどは販売する方なら頭に叩き込んでおくべきですが、もう一つ重要なものが「ストーリー」です。
その商品が出来上がるまでのストーリー。
食品などでは最近よく聞きますよね。肥料からこだわってつくった芋です!一株に1個でつくり上げた甘いスイカです!みたいに商品が出来上がるまでの過程、つまりストーリーを説明するとそれこそが付加価値となります。
どれだけこだわって作っているのか?開発、製造にどれだけ時間をかけているのか?そういったストーリーを口頭で。あるいはPOPなどでしっかり説明するこは非常に重要です。
また、ある大学が行ったテストによるとこだわり抜いて作った商品の説明よりも偶然できた商品の説明の方が購入率は上がったという実験結果もあります。
名誉会長の井深大が個人で使うために再生だけでもいいから軽くて音楽が聴けるもの作ってくれとテープレコーダー事業部に頼んだことからできた商品です。
狙って作った商品ではなく偶然の産物。こういったストーリーがあるものは、お客さんの心を大きくくすぶるようです。
メーカーや製造、開発部が必死に作り上げた商品。販売する方もその努力やストーリーをしっかりと購入する方にお伝えしましょう。それにより商品の単価アップが見込めますしね!
説得力を上げる(デフユージング・エフェクト)
昔流行った言葉です。
みんな、つまり大勢で行えば個人の危機感や意識的な負担がやわらぐってことですね。何となく分かります!
心理学では、これを「拡散効果(デフユージング・エフェクト)」あるいは「希釈効果(薄めてしまう効果)」と言います。
これは、理解していると仕事の場面でも役立つことがあります。
例えば、上司にある提案をするときにも「私はこう思います」と言うよりも「みんなで話し合った結果、我々はこう思います」と伝えた方が大いに説得力が増します。また、伝えている自分にも自信がつくはずです。自分だけの意見ではなくみんなの意見ですからね。
また、営業でもお客さん相手に使うこともできます。「僕はこの商品とてもいいと思いますよ」と伝えたところで「お前の趣味なんぞ知らんがな」って話ですよね。
それよりも「雑誌の評価で1位の商品なんですよ。」「主婦が選んだナンバー1商品がこちらなんです」と言ったように多くの人が読む雑誌の評価や大勢の主婦が選んだ商品と言ったように「みんなが選んでいる」と伝えることにより売りたい商品が売れることがあります。
上司に何かを進言する時やお客さん相手で売りたい商品がある時には大多数の意見を集めたり、情報を収集することも大切です。
商品は長所と短所を説明するべきというのは間違い?!
セールスの話術の研修やそういった類の本に目をやると商品は良い点ばかりを述べないでデメリットも説明することにより成約率が上がると教えられます。
まぁ、デメリットも説明するのは成約率どうこう以前に当然のことではあるんですけどね。しかし、成約率だけで考えれば、正確には間違えです。
商品のメリットのみを伝えるのを「片面提示」。メリットとデメリットをちゃんと伝えるのを「両面提示」と言いますが、これどちらが成約率が上がるかというと…。
実は”相手次第”なんです。
第二次世界大戦末期にアメリカ陸軍の情報教育部で実験されているんですが、教育程度の高い人には両面提示による説得の方が効果はあるということですが、そうでない場合は片面提示が有効なんです。
つまり、商品知識が豊富なお客さんの場合は両面提示でメリットとデメリットをしっかりお伝えすれば、お客さん自身の知識と一致する部分が多くなり信頼感を持ってもらえます。
しかし、相手に商売知識がない場合は長所を強調し商品のイメージをアップさせた方が成約率は上がります。
相手の商品知識がどれほどなのか?そこを見極めてからメリットとデメリットの説明の強弱をコントロールできる人がプロの営業マン!なんでしょうね。
接客は相手が買う前提で話かるべき!!!
「二者択一効果」というのがあります。
AとBどちらにするか問われると他の選択肢があるにもかかわらずどちらかを選んでしまうという心理学的な接客技術です。
例えば、そろそろ新しいスカートが欲しいなと悩んでいるお客さんに「ピンクのスカートは春っぽくて可愛いですけど、となりの花柄も人気ですよ。どちらが好みですか?」と聞きます。買いますか?買いませんか?ではなく好みを聞くわけです。
本来なら買うか?買わないか?ピンクか?他の色か?と多くの選択肢があるにもかかわらず、「ピンクか、花柄か」2者択一の選択肢に絞り込むわけです。
心理学的には、多くの選択肢があるにもかかわらず、選択肢をどちらにするかに絞られたお陰でどちらかを選ばなければならないという錯覚が起こります。
まぁ、これはひとつのテクニックであり、これだけで100パーセント買ってくれるわけではないですけどね。価格なども当然関わってくる訳ですがプライドの高いお客さんや価格の比較的安価な商品、購入意識の高い方には効果的です。ひとつの心理学的なテクニックとして頭に入れておきましょう。