恐怖心を煽っても商品は売れない・・・
病院で真っ黒になった肺の写真と一緒に「タバコをやめよう」と文字の入ったポスターを目にすることがありますね。
これは、相手に恐怖心を与えて説得を促す心理的な方法です。
これをビジネスに応用しているケースもあります。
しかし!実は、コレ、やりすぎると逆効果になることもあります。
アメリカの心理学者ジャニスとフェシュバックが行った「口腔衛生のアピール」実験では、Aのグループに虫歯の末期症状の悲惨な写真をBのグループにはAよりはマシな虫歯の写真をCのグループには健康的な歯の写真を見せて「歯は大切にしましょう」といった講義を行いました。
どのグループがもっとも講義の内容に同感を得たか?
Aのグループがもっとも悲惨な虫歯の状態を見ているので恐怖心から「こうならないようにしよう」と感じると思いそうですが、実は逆!!!
同感した人はCグループがもっとも多く、次いでB、そしてAとなりました。
これをジェニスとフェシュバックは、こう分析しています。
人は、無意識に不快感を与えた情報を忘れようとする。与えられた恐怖感があまりにも強いと、受けてはコミュニケーションの重要性を無視したり、過小評価することによって自我を守ろうとする。
つまり、説得の効果を高めるためには、相手に適度な緊張感を与えることはいいのですが、強い恐怖を与えてしまうようでは逆の効果となってしまうわけです。
白アリ退治のチラシなどで「さすがにこんな状態にはなってないだろう」という写真が載っていることがありますが、そう思わせてしまうようだとやり過ぎってことですね。