店長の品格

毎日の営業ご苦労様です!店長として苦悩する毎日ですが、共に苦労している皆さま。また、将来は店長をめざす皆さまといっしょに自分が学んだことを日記に記していきます。

客の衝動買いを誘発させる極意!

買うという行為には、もともと目的があって買う買い物と買う気は無かったけど買ってしまったといういわゆる衝動買いとがあります。

 

この「衝動買い」実は買い物の70%を占めるとさえ言われており、販売する側には非常に重要です。

 

目的がある買い物は高価な物でも納得すれば購入しますが、衝動買いの場合は「安さ」というのがポイントになります。

 

例えばバーゲンや期間限定、タイムセールなどは衝動買いを後押しします。しかし、価格が通常と変わらなくても山積み陳列やワゴンセールなどで心理的に安く感じさせる方法もあります。

 

この場合「ジャンブル陳列」と言って多少ごちゃごちゃに陳列した方がお客さんは安いと感じます。

 

今まで2〜3個程度を棚に綺麗に並べていてが売れなかったのに大量に入荷してワゴンに放り込んでおいたら次々に売れた!なんて話を聞いたことあるのではないでしょうか?

 

同じ商品、価格でも陳列方法ひとつでお客さんの心理は変わるのです。

 

また、衝動買いを誘発させるには客動線も重要な要素になります。

 

一般的に客動線は長くすれば、その分他の商品にも接する機会が増えるため、購買量が増えると言われています。

 

コンビニなどでは「ゴールデントライアングル」と言って、雑誌、ドリンク、弁当を3つの壁面に設けている場合が多いですね。

 

この3面を回ると店を一周することとなり、ついで買いを誘発しているわけです。

 

スーパーの卵売り場が分かりづらい場所にあるのも、あえてそうしており、卵を探している間に色々な商品が目に止まるようにしているのです。

 

買い物の70パーセントを占める衝動買い!店の売り上げを上げたいなら、これを無視する訳にはいきませんね。

売り上げアップに効果的!陳列の「いろは」

お店によって陳列方法はいろいろあります。コンビニのようにお菓子はお菓子。お弁当はお弁当といったようにカテゴリーでしっかり分かれている店舗。ドン・キホーテのようにあえてゴチャゴチャのように陳列している店舗。

 

これらには、実は意味がちゃんとあります。

 

コンビニは、買うものが決まったお客さんが来る上に立ち読み客以外は滞在時間も長くはないので「どこに何があるか」すぐにわかるようにカテゴリー別でわかれています。

 

ドン・キホーテなどは、あえて迷路のような通路でいろいろなものが目に入るようにすることでお目当ての商品があってもついでに色々見て買ってしまう仕掛けを作っているんです。

 

このように陳列はお店の売り上げを左右する大切な仕事のひとつ。基本の基本をしっかりマスターしておきましょう。

 

 

「レジ前陳列」

 

買い物が済んでレジに並んでいるとたいていの人は、暇なのであちこちに目がいきます。そこで、レジ前に置いてある商品が目に入るわけです。お客さんは買い物を済ませてカゴの中もある程度埋まっている状態。すると、普通なら高いと感じる200円の商品も不思議とそんなに高くない気がするんです。これは、「参照点依存性」と呼ばれるものです。

 

あるいは、単純に買い忘れがないように電池やたばこなどを置く場合もありますし、コンビニのコーヒーメーカーなんかは、入り口でコーヒーのいい香りがすると自分も飲みたくなりますね。そういった効果を狙っています。

 

「右側ディスプレイの法則」

 

人間は自分の利き手の商品に手を伸ばします。コンビニなどでバイトした経験があるとわかると思いますがシーチキンおにぎりを2列で並べると右ばかりが減っていくなんて経験をした人も多いのではないでしょうか?ですから、コンビニなどによっては、賞味期限が近い商品は2列あったら右側に陳列するように教えるところもあるようです。

 

ドラッグストアなどでも、この右側ディスプレイの法則は活用されており、自社製品(プライベートブランド)を有名なブランド商品の右隣に置くといった店舗もありまあす。例えば、有名な女優さんがCMしているシャンプー。お客さんは、そういった商品にまず目がいきます。しかし、その周りにも必ず目線を移すんです。商品の価格や内容を見比べながら検討します。その時にその商品の右側に自社製品を置いておくと購入してくれる率が高まるのです。

 

エンド陳列

 

エンドといわれる陳列棚の両端の部分でお客さんの一番目に入りやすい場所です。横幅が短いので多くの商品を並べることができませんので基本的には季節品、売れ筋品、新製品、戦略商品、コンビニなどでは景品付きのくじなどを置きます。

 

このエンド展開をしっかりやることで流行に敏感な店。欲しいものがある店という印象を与えることができます。

 

ここに十分魅力的な商品を置くことでエンドに展開した商品が売れなくても関連商品などが売れることも期待できます。

 

「ゴールデンゾーン」

 

陳列棚の床上60センチから150センチ程度のスペースを一般的に「ゴールデンゾーン」と呼びます。

 

お客さんは、お店に来てすべての商品を見るわけではありません。電池を買いに来てすべての電池を見て購入する商品を選んでいるのかというとほとんどがそうではありません。人が商品棚を見ている時間は短く、また見ている範囲も非常に狭いのです。

 

そこで、もっともお客さんの目にとまりやすく、手に触れやすい領域、「ゴールデンゾーン」に売れ筋商品や利益率の高い商品を陳列するのが基本です。お店の利益、売り上げ、イメージを左右する重要な領域となります。

 

「フェイス配分」

 

同じ商品を2列にして並べていたり、本屋さんで同じ本をいくつも平置きで置いていたりする場合がありますね。商品のパッケージ。つまり顔(フェイス)の半分によってその商品の売り上げが変わってきます。

 

1列並べておくよりも2列並べておく方が、単純に目に入る確率も2倍になりますし、売れている商品なのかな?と気にもなりますね。

 

基本的には、売れ筋の商品やプライベートブランドなど利益率の高い商品のフェイスを増やします。ただし、Aという商品を売りたいがためにAを5フェイスにして他の商品は隅っこ・・・なんてことになると「この店は同じ商品しか置いてない。いろいろな商品が置いてない」と全体的な売り上げを考えると逆効果になる場合もあります。

 

「関連陳列」

 

売れ行きのいい商品の近くに、その商品と関連する商品を置いて「ついで買い」を促進させる陳列。

 

コンビニなどでは飲み物やパン、おにぎり、弁当がよく売れる商品。これらを店の奥に陳列することで、それらを買いに来たお客さんにサラダやスイーツなども目に入るようにして「ついで買い」を促しています。

 

パンの横にジャム。電池使う商品の横に電池、衣類とアクセサリーなどを置くことで客単価が上がり、また、関連商品で高利益をとることも可能です。

 

「振り返りの法則」

 

こちらも関連陳列と同じですが、関連陳列は横や客動線で行いますが、振り返りも重要です。お酒を買いに来て振り返ったらおつまみがあった!これもついで買いを促進できます。

 

売れ行きの商品の後ろの棚に関連商品を置く戦略です。入店されたお客さんにいかに多くの商品を見ていただくか。客単価を上げるために非常に重要であす。

 

「左回りの法則」

 

人間は左回りを好むといわれています。野球で打った選手が1塁2塁と回るのも左回りですね。時計と逆回りです。

 

なぜかよくわかっていませんが、心臓を守るために無意識に左回りを好むとか、重量のある肝臓が右側にあるからバランスをとるために左に重心をよせる為に左回りを好むとか言われています。

 

些細なことですが、人は左回りの方がリラックスでき財布の紐も緩むといわれています。逆に緊張感を煽るお化け屋敷なんかは右回りです。

 

「定番商品の陳列は変えない」

 

購入頻度の高い商品は決まったお店で買い物する方も多いようです。人は習慣で買い物をしますので商品配置があまりにも頻繁に変わるとお客さんもストレスを感じてしまいます。

 

ですから、定番商品の配置は変えないというお店が多いのです。その代り、エンドなどでは季節の代わりにがらっと陳列を変えたりして新鮮さや季節感を出します。陳列を変えて店の新鮮さと定番品はいつもの場所といった安心感。このバランスが重要です。

 

 

どんなに良い商品が置いてあっても、店のレイアウトや雰囲気が悪くては、お客さんが商品を手に取ってくれません。しかし、店の陳列や雰囲気しだいでは、お店の売り上げは何倍にもアップします。

 

陳列や商品の配置の仕方は、基本の基本。今一度、自分のお店の陳列をしっかり見直してみましょう。 

「ラーキンの法則」で仕事の効率を劇的にアップする!

時間管理についてアメリカの研究者ラーキンは価値や時間について「20対80」の法則を唱えています。

 

「価値の80パーセントは、全体の20パーセントから生まれ、残りの20パーセントの価値は、全体の80パーセントから生まれる」

 

つまり、重要な仕事は仕事全体の20パーセントにしか過ぎず、それをこなせば仕事全体の80パーセントをこなしたことになるというわけです。

 

よく完璧主義者は、生産性が悪いと言われますが100の仕事を全て同じように時間をかけても効果が悪いってことですね。

 

あなたが毎日時間がないと嘆いているようなら、まず、朝出社して100ある仕事のうちどれが重要な20パーセントなのかを見極める事が大切です。

 

間違いやすいのが急ぎの仕事!

 

重要な仕事の順番ではなく、期日が迫っている順番に仕事を始めてしまいがちですが、まず、重要か重要でないか。急ぎなのか、後回しでもいいのかを振り分けましょう。

 

急ぎの仕事でも重要度が低ければ後回し!まずは、重要な20パーセントをこなしてからです!

 

20パーセントの仕事を終える事で仕事の80パーセントの価値を作り出してから、残りの仕事は効率、スピードを重視してこなすことが大切です。

 

なぜスーパーの卵売り場は分かりづらい場所にあるのか?

スーパーに卵を買いに行ったのにある場所がわからない。そんな経験はないでしょうか?

 

実は、コレ、スーパー側の戦略なんです。

 

卵って来店したお客さんが買う率が高いですよね。お客さんが来て、卵売り場どこだろう?って探します。なかなか見つからないのでスーパーの中をグルグルまわる・・・。

 

そうすると、「あっ!そうだ。牛乳もなかった。この総菜もおいしそう。もやしがやすいわね」と卵を探す間にいろいろな商品に目が行き客単価が上がっていくという戦略です。

 

ですから、スーパーの卵売り場はあえて分かりづらい場所に置いてあるんですね。

 

ドン・キホーテなんかも同じ戦略です。ゴチャゴチャしてて、はっきりいって分かりづらい。まるで迷路のようになっていて、「あれ?この売り場、さっきも通らなかったっけ???」なんてこともありますね。それこそが、ドン・キホーテの狙いなわけです。

 

よく売れる商品。通常は目立つ場所に置いておこうという心理が働きますが、あえて分かりづらい場所に置いて回遊率を上げるという考えもあるわけです。

売りたい商品には比較出来るものを用意する

「今度の週末にこの商品を10台売るぞー」

 

気合の入ったキャンペーンだったのに蓋を開けたら大ゴケ!ぜんぜん売れない!

 

そんな経験したことのある人は多いのではないでしょうか?

 

例えばAという商品。通常10万円のところ週末限りで8万円!めっちゃ安い!!!

 

これなら売れる!と思いきやお客さんの反応は「8万円?高いな!」

 

なんでこの安さ伝わらん!

 

そういって髪を掻き毟る思い・・・。まぁ、よくよく考えればそうですよね。お客さんにしてみたら、あらかじめ下調べして市場や他店の価格を知っているならば8万円が安いと感じるでしょうが、なんの情報もない状態で8万といわれると高いと感じてもしかたがありません。

 

販売している方は、いつもは10万円なのに8万円になったという比べる情報があるので「安い」と感じます。下調べしているお客さんも他店だと10万だという比較する情報があれば8万は「安い」と感じるわけです。

 

この「比較する情報」が実はとても大切です。

 

では、どのようにしてお客さんに比較する情報を提供するか?

 

もっとも手っ取り早いのがAという商品よりも低スペックなBという商品を近くに置いて、Bよりも安い価格でAを売り出すとわかりやすいでしょう。

 

A商品 通常価格¥100.000 (高スペック)

B商品 通常価格¥85.000(低スペック)

 

これを・・・。

 

A商品 特別価格¥80.000(高スペック)

B商品 通常価格のまま¥85.000(低スペック)

 

これなら黙っていてもA商品は安いと感じるわけです。

 

当たり前に感じますが、結構できていない場合が多いのです。セールなどになるとAの商品もBの商品も同時に安くしてしまってよくわからん状態になっていたりします。

 

A商品 特別価格¥80.000

B商品 特別価格¥65000

 

今、読んでいる人にとってはAが通常10万円、Bが通常8万5千円という情報があるのでAもBも安いと感じますが8万と6万5千円だけ見せられても安いか高いかわかりません。

 

「いや、いや今やネットで価格の比較なんてできるでしょ」

 

って思ってしまいますが、これをないがしろにしているとAの商品が売りたいのに食いついてもくれません。まず、食いつかせて、そこからお客さんが個人で比較対象を探すためにネットなどを使い「あっ、ホントに安い」と感じるわけです。

 

比較するのは自店舗だけの情報に留まりません。

 

例えば、競合店がチラシで大きく歌っている商品は比較の対象になりますので安くし店舗でも目立たせる必要がありますし、ショッピングモールなどで出入り口のいい場所のお店がTシャッツ500円で目立つところに山積みしているようなら同じようなTシャツを480円で山積みすれば「安い」と感じるでしょう。

 

これら比較の対象は価格だけではありません。

 

たとえば、テレビなどの新製品で「どうです?いい画質でしょう?」と言われてもだいたい価格順や機能の高い順に並んでいることが多く、となりの商品と比べても「ん?わからん」という場合が多いと感じます。

 

この場合は、売りたい商品を軸として「価格として比べる商品」と「機能として比べる商品」を付近に用意し映像なども比較しやすいものを使います。

 

Aという10万円の商品が売りたいなら左側にBという「価格で比べる商品(スペックでAに劣り、価格もAとそれほど変わらないように設定)」、右側にCという「性能で比べる商品(性能で圧倒的にAに劣り比べれば一目瞭然、ブランド力も低い)」ようなものを並べると価格も機能も比較しやすいでしょう。

 

売りたい商品がある場合、どうしても売りたい商品を目立たせるために単独で展示してしまったり、山積みにしてしまう場合が多いのですが、その場合にも「比較できる対象」を用意することも大切です。

 

富士フィルムの戦略

ちょっと古い話になりますが、カメラがまだデジタルカメラではなくフィルムカメラの時代。写真フィルムにおいて、富士フィルムは圧倒的なシェアを占めていました。

 

それなのに、ビデオテープやオーディオテープでは苦戦していました。

 

まぁ、ビデオテープについては、当初、業務用テープで圧倒的なシェアを誇っていたんですが、ビデオテープ市場が業務用から家庭用へと市場が拡大するにつれて市場シェアを失っていきます。

 

なぜでしょう?

 

当時の富士フィルムはフィルムと言えば、「富士」である!と富士のブランドを前面に押し出した戦略をとっていたんです。

 

緑の箱のイメージです。まぁ、今でも写真用紙とかチェキ用のフィルムなんかは緑ですね。

 

富士フィルムといえば、当時も企業イメージとしては高い評価を得ていましたので、富士フィルムの製品として売り出せば売れるはず・・・。しかし、現実はビデオテープやオーディオテープは売れない。

 

富士フィルムは、悩みに悩んだはずです。

 

結論としては、企業のコーポレイトブランドが及ぼす範囲には限界があるということです。

 

富士フィルムのコーポレイトブランドは、基本的に写真フィルムという商品領域をベースとしたものであり、オーディオテープは、オーディオ機器を生産しているソニーやパイオニア、オーディオテープ専門であったTDKがオーディオテープに重なるコーポレイトブランドの方が強かったというわけです。

 

そこで、富士フィルムは諦めたのか?いいえ、潔く富士のブランドを捨てます。そして、中学生をターゲットとして「アクシア」というブランドを立ち上げました。

 

その後の富士フィルムは、富士フィルム=写真フィルムというイメージを払拭し、カテゴリーを越えたブランドにするという課題を背負い、時代の流れと共にカメラや印刷用紙なども手掛け、最近では化粧品などにも富士フィルムの名で参入しております。

価格の弾力性と需要の関係

店頭に並んでいる商品を値下げすると一般にその商品の売り上げ(需要)は高まります。セールなどで価格が下げられると売れ行きが大幅にUPするのはわかりますね。

 

価格を上下させたとき、その製品の需要量がどれだけ左右されるかを判断するために利用されるのが「需要の価格弾力性」という概念です。

 

Aという商品が価格を下げたら大幅に売り上げが伸びた。しかし、Bという商品は価格を下げてもさほど売り上げが伸びなかった。

 

この場合、Aという商品の価格の弾力性は高く、反対にBの価格の弾力性は低いといえます。

 

あまり、計算式は出したくない出のですが、念のため、需要の価格弾力性は、

 

 需要量の変化率(%)÷価格の変化率(%)

 

によって求めることができます。

 

この場合、Bという商品は価格弾力性が低いといえますので価格を引き上げても需要の変動は少ない。つまり、価格を上げることによって収益を高めることが可能である目安となります。

 

また、別の商品の価格を変化させることにより、需要量に変化が生じる商品もあります。

 

たとえば、プリンタの価格が下がるとインクや用紙の売り上げは上がりますね。エアコンの価格が下がればストーブが売れなくなります。

 

ガソリンの価格が上がれば、車販売はエコ自動車や軽自動車が売れるでしょう。

 

ある製品Aの価格変化に対して、別の製品Bの需要量がどれだけ変化するかを把握するための概念に「重要の交差弾力性」というものがあります。

 

製品Bの需要量の変化率(%)×製品A価格の変化率(%)

 

によって求めることができます。この数字がゼロより小さくなれば製品AとBとは強い関係性があるといえますし、ゼロより大きくなればなるほどAとBの商品は競合関係にあるといえます。また、プラスでもマイナスでもなくゼロに近づくほど独自製品の関係と言えます。

 

つまり、なんでもかんでも値引きして安く値段をつければいいというものではないんです。

 

価格の弾力性が強いものならば値引きしても効果は得られるし、さらに交差弾力性の強いものがあれば、それを一緒に売ることによって利益は確保できます。

 

ただし、価格の弾力性が弱いものを値引きしても高い効果は得られませんし、また、価格の弾力性が強くとも交差弾力性の強いものがない、または交差弾力性で競合関係にある商品が利益率の高い商品であった場合には、そちらが売れなくなる可能性がありますので考えるべきでしょう。