店長の品格

毎日の営業ご苦労様です!店長として苦悩する毎日ですが、共に苦労している皆さま。また、将来は店長をめざす皆さまといっしょに自分が学んだことを日記に記していきます。

売り上げアップに効果的!陳列の「いろは」

お店によって陳列方法はいろいろあります。コンビニのようにお菓子はお菓子。お弁当はお弁当といったようにカテゴリーでしっかり分かれている店舗。ドン・キホーテのようにあえてゴチャゴチャのように陳列している店舗。

 

これらには、実は意味がちゃんとあります。

 

コンビニは、買うものが決まったお客さんが来る上に立ち読み客以外は滞在時間も長くはないので「どこに何があるか」すぐにわかるようにカテゴリー別でわかれています。

 

ドン・キホーテなどは、あえて迷路のような通路でいろいろなものが目に入るようにすることでお目当ての商品があってもついでに色々見て買ってしまう仕掛けを作っているんです。

 

このように陳列はお店の売り上げを左右する大切な仕事のひとつ。基本の基本をしっかりマスターしておきましょう。

 

 

「レジ前陳列」

 

買い物が済んでレジに並んでいるとたいていの人は、暇なのであちこちに目がいきます。そこで、レジ前に置いてある商品が目に入るわけです。お客さんは買い物を済ませてカゴの中もある程度埋まっている状態。すると、普通なら高いと感じる200円の商品も不思議とそんなに高くない気がするんです。これは、「参照点依存性」と呼ばれるものです。

 

あるいは、単純に買い忘れがないように電池やたばこなどを置く場合もありますし、コンビニのコーヒーメーカーなんかは、入り口でコーヒーのいい香りがすると自分も飲みたくなりますね。そういった効果を狙っています。

 

「右側ディスプレイの法則」

 

人間は自分の利き手の商品に手を伸ばします。コンビニなどでバイトした経験があるとわかると思いますがシーチキンおにぎりを2列で並べると右ばかりが減っていくなんて経験をした人も多いのではないでしょうか?ですから、コンビニなどによっては、賞味期限が近い商品は2列あったら右側に陳列するように教えるところもあるようです。

 

ドラッグストアなどでも、この右側ディスプレイの法則は活用されており、自社製品(プライベートブランド)を有名なブランド商品の右隣に置くといった店舗もありまあす。例えば、有名な女優さんがCMしているシャンプー。お客さんは、そういった商品にまず目がいきます。しかし、その周りにも必ず目線を移すんです。商品の価格や内容を見比べながら検討します。その時にその商品の右側に自社製品を置いておくと購入してくれる率が高まるのです。

 

エンド陳列

 

エンドといわれる陳列棚の両端の部分でお客さんの一番目に入りやすい場所です。横幅が短いので多くの商品を並べることができませんので基本的には季節品、売れ筋品、新製品、戦略商品、コンビニなどでは景品付きのくじなどを置きます。

 

このエンド展開をしっかりやることで流行に敏感な店。欲しいものがある店という印象を与えることができます。

 

ここに十分魅力的な商品を置くことでエンドに展開した商品が売れなくても関連商品などが売れることも期待できます。

 

「ゴールデンゾーン」

 

陳列棚の床上60センチから150センチ程度のスペースを一般的に「ゴールデンゾーン」と呼びます。

 

お客さんは、お店に来てすべての商品を見るわけではありません。電池を買いに来てすべての電池を見て購入する商品を選んでいるのかというとほとんどがそうではありません。人が商品棚を見ている時間は短く、また見ている範囲も非常に狭いのです。

 

そこで、もっともお客さんの目にとまりやすく、手に触れやすい領域、「ゴールデンゾーン」に売れ筋商品や利益率の高い商品を陳列するのが基本です。お店の利益、売り上げ、イメージを左右する重要な領域となります。

 

「フェイス配分」

 

同じ商品を2列にして並べていたり、本屋さんで同じ本をいくつも平置きで置いていたりする場合がありますね。商品のパッケージ。つまり顔(フェイス)の半分によってその商品の売り上げが変わってきます。

 

1列並べておくよりも2列並べておく方が、単純に目に入る確率も2倍になりますし、売れている商品なのかな?と気にもなりますね。

 

基本的には、売れ筋の商品やプライベートブランドなど利益率の高い商品のフェイスを増やします。ただし、Aという商品を売りたいがためにAを5フェイスにして他の商品は隅っこ・・・なんてことになると「この店は同じ商品しか置いてない。いろいろな商品が置いてない」と全体的な売り上げを考えると逆効果になる場合もあります。

 

「関連陳列」

 

売れ行きのいい商品の近くに、その商品と関連する商品を置いて「ついで買い」を促進させる陳列。

 

コンビニなどでは飲み物やパン、おにぎり、弁当がよく売れる商品。これらを店の奥に陳列することで、それらを買いに来たお客さんにサラダやスイーツなども目に入るようにして「ついで買い」を促しています。

 

パンの横にジャム。電池使う商品の横に電池、衣類とアクセサリーなどを置くことで客単価が上がり、また、関連商品で高利益をとることも可能です。

 

「振り返りの法則」

 

こちらも関連陳列と同じですが、関連陳列は横や客動線で行いますが、振り返りも重要です。お酒を買いに来て振り返ったらおつまみがあった!これもついで買いを促進できます。

 

売れ行きの商品の後ろの棚に関連商品を置く戦略です。入店されたお客さんにいかに多くの商品を見ていただくか。客単価を上げるために非常に重要であす。

 

「左回りの法則」

 

人間は左回りを好むといわれています。野球で打った選手が1塁2塁と回るのも左回りですね。時計と逆回りです。

 

なぜかよくわかっていませんが、心臓を守るために無意識に左回りを好むとか、重量のある肝臓が右側にあるからバランスをとるために左に重心をよせる為に左回りを好むとか言われています。

 

些細なことですが、人は左回りの方がリラックスでき財布の紐も緩むといわれています。逆に緊張感を煽るお化け屋敷なんかは右回りです。

 

「定番商品の陳列は変えない」

 

購入頻度の高い商品は決まったお店で買い物する方も多いようです。人は習慣で買い物をしますので商品配置があまりにも頻繁に変わるとお客さんもストレスを感じてしまいます。

 

ですから、定番商品の配置は変えないというお店が多いのです。その代り、エンドなどでは季節の代わりにがらっと陳列を変えたりして新鮮さや季節感を出します。陳列を変えて店の新鮮さと定番品はいつもの場所といった安心感。このバランスが重要です。

 

 

どんなに良い商品が置いてあっても、店のレイアウトや雰囲気が悪くては、お客さんが商品を手に取ってくれません。しかし、店の陳列や雰囲気しだいでは、お店の売り上げは何倍にもアップします。

 

陳列や商品の配置の仕方は、基本の基本。今一度、自分のお店の陳列をしっかり見直してみましょう。