価格の弾力性と需要の関係
店頭に並んでいる商品を値下げすると一般にその商品の売り上げ(需要)は高まります。セールなどで価格が下げられると売れ行きが大幅にUPするのはわかりますね。
価格を上下させたとき、その製品の需要量がどれだけ左右されるかを判断するために利用されるのが「需要の価格弾力性」という概念です。
Aという商品が価格を下げたら大幅に売り上げが伸びた。しかし、Bという商品は価格を下げてもさほど売り上げが伸びなかった。
この場合、Aという商品の価格の弾力性は高く、反対にBの価格の弾力性は低いといえます。
あまり、計算式は出したくない出のですが、念のため、需要の価格弾力性は、
需要量の変化率(%)÷価格の変化率(%)
によって求めることができます。
この場合、Bという商品は価格弾力性が低いといえますので価格を引き上げても需要の変動は少ない。つまり、価格を上げることによって収益を高めることが可能である目安となります。
また、別の商品の価格を変化させることにより、需要量に変化が生じる商品もあります。
たとえば、プリンタの価格が下がるとインクや用紙の売り上げは上がりますね。エアコンの価格が下がればストーブが売れなくなります。
ガソリンの価格が上がれば、車販売はエコ自動車や軽自動車が売れるでしょう。
ある製品Aの価格変化に対して、別の製品Bの需要量がどれだけ変化するかを把握するための概念に「重要の交差弾力性」というものがあります。
製品Bの需要量の変化率(%)×製品A価格の変化率(%)
によって求めることができます。この数字がゼロより小さくなれば製品AとBとは強い関係性があるといえますし、ゼロより大きくなればなるほどAとBの商品は競合関係にあるといえます。また、プラスでもマイナスでもなくゼロに近づくほど独自製品の関係と言えます。
つまり、なんでもかんでも値引きして安く値段をつければいいというものではないんです。
価格の弾力性が強いものならば値引きしても効果は得られるし、さらに交差弾力性の強いものがあれば、それを一緒に売ることによって利益は確保できます。
ただし、価格の弾力性が弱いものを値引きしても高い効果は得られませんし、また、価格の弾力性が強くとも交差弾力性の強いものがない、または交差弾力性で競合関係にある商品が利益率の高い商品であった場合には、そちらが売れなくなる可能性がありますので考えるべきでしょう。