店長の品格

毎日の営業ご苦労様です!店長として苦悩する毎日ですが、共に苦労している皆さま。また、将来は店長をめざす皆さまといっしょに自分が学んだことを日記に記していきます。

接客での効率のいい時間のかけ方

店頭販売では、接客がもっとも重要な仕事です。

ですから、他の仕事を後回しにしてでもお客様が来店されたら接客を最優先にし、そこに時間をかけるべきですね。

しかし、繁忙期などで販売員よりもお客様の数が多くなってしまった場合。この場合は、接客にも時間をかけていい場合とそうでない場合が当然出てきます。

 

では、どうすれば接客時間を短縮できるのか?

 

まず、お客様の要望などを聞きます。その上で「では、コレとコレがお客様に合っていると思います」と商品を2つ用意します。1つだと比べるものがないので逆にお客さんは迷ってしまうんです。ですから、2つ用意してどっちにするか2択にするんですね。

 

販売員によって1つだけに絞る販売員や4つも5つも候補を挙げてすべて説明する人がいますが、これでは時間がいくらあっても足りません。また、意味もなく売れている商品はコレですといきなり商品を勧めるのもおすすめできません。

 

かならず、お客様の要望を聞きます。その上で、「では、あなたに合っているのはコレかコレですよ。どっちにします?」と持ち掛けるわけです。二者択一にするだけで、接客時間と成約率は大幅に上がります。

 

ただし、金額の大きなお客様。家電量販店なら50万円のカメラとか100万円の家電一式とか・・・。時計屋さんなら100万円のロレックスとか・・・。大口のお客さんにはたっぷり時間をかけるべきです。仮に繁忙期であっても、ここで時間の短縮を考え成約にいたらなければ大きな痛手です。

 

高額な買い物のお客さんには、あえてお目当ての商品とのライバル商品も説明したり、店内をあえて遠回りするようなルートで周ったりしてでも時間を使います。

 

繁忙期ですと他店では、高額商品でも”なるべく最短の時間”で販売したいと考える販売員が少なくありません。そういった接客を受けたお客さんが時間をたっぷりかけて接客してくれる販売員に好感を持つこともあります。

 

また、単純に時間をかけると高齢のお客様なら疲れちゃう人も多いのです。最初は、いろいろな店で値段を見てくる予定の方も「なんだか熱心に接客してくれるし、値引きもしてくれたし、何より疲れちゃったから、ここで買うか!」←これが実はかなり多い!!!

 

単純に時間をかけた分、他店で接客を受けた方も一番印象を強く持ってもらえる場合もあります。

 

時間を掛けない接客。時間をかけるべき接客。この使い分けが店頭販売では非常に重要です。

 

プラス。当然ですが、製品比較表や体感できる展示。わかりやすい売り場などセルフ化による時間の短縮も繁忙期には必要になってきます。

得意なことで「勝つ」ことを教えよう!

 

誰にでも長所と短所はあるものです。

 

仕事においても同じですね。事務系が得意な人。販売が得意な人。人に教えるのが得意な人。いろいろな人がいます。誰にでも得意、不得意はあるものです。

 

しかし、多くの人が不得意、自分の弱い部分を直そうとがんばっています。

 

まぁ、悪いことではありません。しかし、無難にすべてをこなすオールラウンダーよりも何かにずば抜けている人の方が会社的には大きな利益である場合もあります。

 

ラグビー日本代表の田中史郎選手の身長は166センチほどです。ラグビーというと体格がよくパワーのある選手ばかりですね。その中で166センチはかなり小さいはずです。

 

日本代表を目指す選手の中には田中選手よりもパワーのある選手は多くいるのでしょう。

 

しかし、田中選手の判断力とボールさばきは世界クラスといわれています。

 

大切なのは「何ができないか」ではなく「何ができるか」。

 

自分は「会社に何で貢献できるのか?」「何なら誰にも負けないと言い切れるのか?」

 

あなたが上司であれば、部下の評価は「何ができないか」ではなく「何ができるのか」を評価することも必要でしょう。

 

 

仕事は「並列処理」より「随時処理」の方がいいが例外もある

 

一般的に仕事は「並列処理」よりも「随時処理」の方がいいとされています。

 

あれこれ手を付けるより、1つ1つ仕事をきっちりこなしていった方が効率がいいというわけです。

 

しかし、例外もあります。

 

接客業などです。接客業では、接客、つまりお客様の対応が仕事の割り振りで最優先となります。

 

品出しや棚卸などを行っていたいとしてもお客様が来店されているのに無視はできません。ですから、接客業では、どうしても「並列処理」にならざるを得ないわけです。

 

では、接客業などでは、どうやって仕事の効率を上げていけばいいのか?

 

優先順位をつけるべきです。

 

まず、仕事を4つのカテゴリーに分けます。

 

①優先的に行うべきであり、尚且つ急ぎの仕事

②優先的に行うべきであるが、急ぎではない仕事

③優先的に行るべきではないが、急ぎの仕事

④優先的でもないし、急ぎでもない仕事

 

優先的な仕事とは、売り上げや利益に関わる重要な仕事を指します。①は誰しもがもっとも先に手を付ける仕事ですので問題ありません。問題なのは②と③が逆になってしまう人がいます。

 

売り上げや利益に影響はないけど、本社が資料を今日中に提出しろ!といったような仕事です。この仕事を②の重要だけれども期日などが設けられていない仕事や同僚や部下の仕事のサポートといったものよりも先に持ってきてしまうケースです。

 

ただでさえ、接客業は時間をできるだけ、接客にあてたいところです。捨てるべき仕事は捨てる勇気も必要な場合もあり、判断力、決断力のいる業種だと思います。

 

また、上司としては、誰に仕事を割り振るかも重量な仕事です。

 

接客もトップクラスで他の仕事も早くて正確といった社員がいると頼ってしまいがちですが、本来なら接客に仕事を集中させれば、さらに売り上げUPを狙える場合もあります。

 

接客と他の仕事の割合をどう割り振るか?この辺も売り上げを左右する重要な仕事です。

 

ただし、接客業でも「並列処理」よりも「随時処理」という考え方を念頭に置いて考えねばならないケースもあります。

 

たとえば、売り上げを上げるために「客数」を上げることに集中するか?「客単価」をあげることに集中すべきか?

 

この場合、どちらも力を入れる「並列処理」は難しいでしょう。

 

店舗がまだ出来て間もない時。新規出店などの時は、「新規顧客の獲得」つまり「客数」を上げることに集中します。その後、お客様が増えてきたら「リピーターの獲得」、その後はお客様の数を維持しながら「客単価」に力を入れていくべきでしょう。

 

接客業の場合は、仕事自体は「並列処理」にならざるを得ませんので、優先順位が非常に重要になってきます。しかし、仕事の大きな視点での考え方としては「随時処理」です。お店としての目標なども並列処理で「あれもこれも」よりも「今月はこれをやる!」と1つの目標(随時処理)を行う方が良い結果が見込めるでしょう。

 

 

「モノ」から「コト」へ 「モノ」から「情報」へ

最近よく耳にするのではないでしょうか?「モノ」から「コト」へ!

 

成熟市場における事業開発の重要なキーワードといわれているのが、この「モノ」から「コト」へ!です。

 

モノを売るだけでは、もはや儲からない!これからは、「体験(コト)」という付加価値を届けることでお客さんに選んでもらおうという試みですね。

 

この「モノ」から「コト」というキーワードは随分古くから言われてきました。

 

本棚を探してみると2000年出版の本にすでに「モノ」から「コト」へ!そして、「モノ」から「情報」へ!と書かれています。

 

最近のブランドショップなどでは店舗は「売り上げ」ではなく「顧客の体験スペース」に役割を変化させている店舗もあるようです。つまり、店舗では、買ってもらわなくてもいいんですね。商品を認知して体感、検討してもらえる役割が店舗となり、購入はネットでもいいですよというスタンスなわけです。

 

家電量販店では、体感は古くから行われています。テレビは全部ついてますので比較できますし、掃除機やパソコンも実際に使ってみることが出来ます。しかし、みんながやっていることでは意味が薄れてしまいますね。お客さんとしては、どの量販店に行っても体感、体験できますからね。

 

自分の店舗しか体験できないといった「コト」が重要なわけです。

 

テレビなら録画機をつけた時に使い勝手はどうなのか?ネットにつなげると何ができるのか?デジカメなら夜景撮影はどうなのか?印刷するとどうなのか?他店では、お試しできない炊飯器などもメーカーに協力を仰いで実演できないか?などの体感を実現できる店舗が求められているのでしょう。

 

また、体感スペースも見直していく時代になっております。これまでは、ぎゅうぎゅうに商品を並べていたスペース。これからは、プライベートブランドなど自社でしか取り扱っていない商品の体感、体験スペースへと変化させていくことも考慮しておく必要があります。プライベートブランドなら店舗で体感、体験してもらいネットで購入してもらっても会社が儲かりますからね。どの量販店でも扱っている商品よりも自社のプライベートブランドはお得でコスパ、使い勝手もいいですよ!というアピールを店舗ですることも重要な役割となっていくでしょう。

 

また、「情報」もこれからは重要となっていきます。

 

ネット社会ですので商品の知識はお客さんと販売員との差は薄れてきております。しかしながら、プロの情報というものもあります。これらは付加価値となるでしょう。

 

洋服を販売する店舗であれば、どういったものが流行っているのか?それと自店舗に置いてある商品を組み合わせるとどうなるのかの提案など。

 

自動車販売店なら他社のホイールをはくとどうなるのか?など気にする方もいるでしょう。購入後の維持費を抑える裏技なども知っておくとお客さんに喜ばれますし、付加価値となります。

 

さらに、これからは5Gの時代。

 

購入後の顧客管理、顧客満足度の向上、また顧客との結びつきから別の商品の認知へとつなげていくサイクルなどお客様への付加価値としての「情報」以外にもお客さんの「情報」を使い、提案、販促へとつなげていく時代がより求められていくでしょう。

 

アプリなどでお客さんからの「質問」などに迅速に答えることも必要になるでしょうし、新製品情報や修理の依頼などもよりネット化していくと思われます。

 

「モノ」に重きを置いていた時代は、過ぎ去ろうとしております。

 

これからは、「コト」「情報」も「モノ」同様に力を入れていかねばならず、さらに言えば、これをないがしろにし時代に乗り遅れると5年後、10年後の店舗の存在意義は無くなってしまうのかもしれません。

 

時代は、どのように動いていくのか?自分のお店の役割、また現在できることはなんなのか?今すぐにでも明確にし、動き出す必要があるようです!

 

80%の働かない人間と20%のできる人材。その20%を増やすには!?

いわゆるパレートの法則で売り上げの8割は2割の従業員が生み出しているといわれています。

 

この2割の人たちのことを「ハイパフォーマー」といっていた時代もあります。最近はあまり耳にしませんけどね。

 

では、このハイパフォーマーの人たちを増やすことは出来ないのか?8割の人たちにハイパフォーマーの仲間入りをしてもらえれば売り上げは劇的に上がるのではないか?

 

まず、ハイパフォーマーの人たちは、どのような場面でどのような行動をとるのかを調査しパターン化します。そして、全員がハイパフォーマーの人たちと同じような行動習慣を身につけるように指導すればいいのです。

 

・・・という、試みが行われたこともありました。

 

多くの人材コンサルタントセミナーで行われましたが、大きな成果を上げたという話は耳にしたことがありません。

 

つまり、8割の人間に2割の人間と同じような行動パターンを押し付けたところで成果はさほど上がらないわけです。

 

人それぞれ、その人の強みや弱みがありますし、性格も外見も違います。

 

2割の人間が退職したりして会社からいなくなるとおのずと8割の人間が2割に入ってくるといわれておりますが、2割のハイパフォーマーの割合を増やすというのは8:2の法則を崩す作業になりますのでかなり難しいと思われます。

 

それよりも全体の売り上げ、利益の底上げを行うことを考え、その人にあった仕事。営業なら営業、サポートならサポートで力を発揮してもらい。売り上げは2割のハイパフォーマーに。サポートは残りの8割の内の2割で全体の8割のサポートを頑張ってもらうなど特徴を生かした適材適所を考える方がいいようですね。

売りたい商品は他と違った陳列方法をとる!「レストルフ効果」

「レストルフ効果」

ドイツの心理学者フォン・レストリルフが提唱した人の記憶に関する研究では無意味な数字や文字、色などを組み合わせて記憶の実験をしたところ、その材料の中に異質な項目があると、その項目の再生率が上がるという結果が出ています。

 

これは、手品などでも使われる手法です。クローバーやスペードで数字のカードを複数枚入れ、その中にハートのキングを一枚だけ入れておき、相手の目の前でペラペラとめくっていきます。そして、先ほどめくったカードの中で好きなカードを一枚選んでくださいと伝え、考えた振りをして「あなたが選んだのはハートのキングですね。」というと8割方当たります。黒いマークで数字のカードの中に一枚だけ赤いマークでキングのカードが混じっているわけですので、大方そのカードが記憶に残ってしまうというタネです。

 

このように人は異質なものには目がいってしまうのです。

 

商品の陳列でも同じ分類の商品が同じように並んでいたら価格やブランド力だけで選んでしまいます。売りたい商品があったとしても、お客さんがそれに目を向けるとはかぎりません。

 

そこで、売りたい商品だけ「異質」にする必要があるわけです。

 

たとえば、売りたい商品だけ、他の商品よりも板か何かを敷いて一段高くする。他の商品を5センチくらい引っ込めて売りたい商品だけ他よりも手前に出るようにする。売りたい商品は斜めに並べる。まぁ、いろいろあります。

 

そんなのメンテナンスや棚の高さ、広さの関係でできないとうのであれば、プライスだけ変えてもいいです。全部、白の用紙に黒の数字でプライスを印刷し、売りたい商品だけ黄色い紙に赤文字で価格を印刷するとか、売りたい商品だけ他よりも大きなプライスにするとか。

 

ただし、あれもこれも売りたいからとあっちこっちで目立たせると意味がありません。コントラストが重要です。

 

棚全体に1つだけ目立つ商品があるから目立つのであって2つも3つもあると「特別感」が薄まりますので注意してください。

 

商品のアイテム数は多くすればいいってもんでもない!

人間の選択の心理を20年以上研究しているコロンビア大学ビジネススクールシーナ・アイエンガー教授が選択肢の数と購買の関係の実験を行っています。

 

実験の内容は簡単で店頭に24種類のジャムを並べた場合と6種類のジャムを置いた場合、どちらが売り上げが上がるかというものです。

 

結果は、このページのタイトルで何となく察しがつくと思いますが、6種類のジャムを置いた方が売り上げが上がったのです。

 

なんと6種類のジャムを置いた場合と24種類のジャムを置いた場合では10倍もの売り上げの差がついたのです。

 

ジャムの種類が多すぎると客はあれこれ悩んだ挙句に何も買わずに帰ってしまうケースが多発したんですね。

 

これを「決定回避の法則」といいます。人は選択肢が多すぎると購買行動が制限されるのです。

 

ただし、少なすぎると客は、この店は欲しいものが置いていないと帰ってしまうので適度なアイテム数が必要となります。

 

また、この多すぎる選択肢を客は好まないという心理をうまく使っているケースがあります。

 

よくいう「松竹梅」です。

 

500円、800円と2つの洗剤があるとします。大きさやブランド力は同程度ならば客は500円の商品を手に取ります。しかし、本来なら800円の洗剤を売りたいところ・・・。

 

そんな場合は、1200円の洗剤を用意します。すると客の購買欲は極端に安い500円と高い1200円の商品の間の800円の洗剤に集中します。

 

1200円という高額の比較対象ができたことで800円の洗剤のハードルが低くなったためです。

 

これは、「ファントム・オプション法」といわれるもので、あらゆる業界で活用できます。