商品のアイテム数は多くすればいいってもんでもない!
人間の選択の心理を20年以上研究しているコロンビア大学ビジネススクールのシーナ・アイエンガー教授が選択肢の数と購買の関係の実験を行っています。
実験の内容は簡単で店頭に24種類のジャムを並べた場合と6種類のジャムを置いた場合、どちらが売り上げが上がるかというものです。
結果は、このページのタイトルで何となく察しがつくと思いますが、6種類のジャムを置いた方が売り上げが上がったのです。
なんと6種類のジャムを置いた場合と24種類のジャムを置いた場合では10倍もの売り上げの差がついたのです。
ジャムの種類が多すぎると客はあれこれ悩んだ挙句に何も買わずに帰ってしまうケースが多発したんですね。
これを「決定回避の法則」といいます。人は選択肢が多すぎると購買行動が制限されるのです。
ただし、少なすぎると客は、この店は欲しいものが置いていないと帰ってしまうので適度なアイテム数が必要となります。
また、この多すぎる選択肢を客は好まないという心理をうまく使っているケースがあります。
よくいう「松竹梅」です。
500円、800円と2つの洗剤があるとします。大きさやブランド力は同程度ならば客は500円の商品を手に取ります。しかし、本来なら800円の洗剤を売りたいところ・・・。
そんな場合は、1200円の洗剤を用意します。すると客の購買欲は極端に安い500円と高い1200円の商品の間の800円の洗剤に集中します。
1200円という高額の比較対象ができたことで800円の洗剤のハードルが低くなったためです。
これは、「ファントム・オプション法」といわれるもので、あらゆる業界で活用できます。