店長の品格

毎日の営業ご苦労様です!店長として苦悩する毎日ですが、共に苦労している皆さま。また、将来は店長をめざす皆さまといっしょに自分が学んだことを日記に記していきます。

初心者が安物を買ってしまう理由

消費者は、様々な情報(広告や口コミなど)を取得し、それらの情報と長期記憶の中に蓄えていた過去の購買経験などを統合させ購買行動を起こします。

そして、その購買行動は再び長期記憶の中に蓄えられていくわけです。

一般的に、知識が豊富なマニアや経験者は、長期記憶の中に蓄えられている購買情報が多く、さまざまな要求水準を満たしている商品を選ぶ傾向にありますが、初心者で初めて購入する消費者では、長期記憶の中の購買経験が少ないことから、また価格だけが自信をもって評価のできるものであることから結果として価格だけで決めるような選択となるわけです。


ですから、普及し始めのころのパソコンなどは、入門者向けの低価格を前面に打ち出した商品も多くありました。

上級機種を選ぶ消費者は、多くの情報や経験があるため、複雑な選択肢があり、企業としてはターゲットとする消費者の選択方向を見極め、それぞれに合う情報の提供を戦略として持つことが必要になります。

また、長期記憶の中にはブランドイメージも蓄積されていきます。

消費者は、購買経験を積み重ねていくことにより、買ってもいいブランドと買いたくないブランドを記憶の中にストックしていきます。

例えば、家電メーカーで自分の知っているメーカーが8社あったとします。エアコンを購入しようと考えた場合、消費者は、このすべてのメーカーを購買の選択肢に入れるわけではありません。

買ってもいいブランドに分類されているメーカーしか購買の選択肢には入りません。


これらの長期記憶の中に蓄積されたブランドイメージも購入を検討している商品にこだわりや思い入れが高い消費者のほうが多く、逆に思い入れやこだわりが低い消費者は少ない傾向にあります。

例えば、男性ならセダン車といえば、トヨタのクラウン、マークXハチロク、カムリ、日産のスカイライン、フーガ、ホンダのシビック、スバルのレガシィB4など数え切れないほど出てくるでしょう。

しかし、興味のない女性では、クラウンしか知らないという人も多いかも知れません。

さらに、車に興味のない方では、興味がないので「乗りたくない車」というのも少ないのに対して思い入れの強い男性では「乗りたくない車」が多いと思われます。

このように、一様に消費者といっても多種多様です。購入経験の少ない若い方、興味の薄い方は安物を購入する傾向が強い為、それらの方に興味を持ってもらう工夫が必要ですし、購入経験の多い方、興味の強い方には、多種多様の選択肢と戦略が必要になっていきます。

これは、商品群によっても興味の薄い方も購入する商品、比較的、興味の強い方しか購入しない商品もあるため、それらのことを十分に考慮し、戦略を立てていく必要があります。