良い人事考課•部下も納得のボーナス査定
人事考課というとボーナスや昇進を決めるだけのものと思っていませんか?
なので人事考課も数字の話だけして終わり…。それでは、店舗や部署の数字も上がることなく、部下の成長も望めません。
では、理想的な人事考課とはどういったものなのか?
①両面思考で考える
人間ですから良い面と悪い面が誰にでもあります。悪い面ばかりに目をやるとその人の良い面を見逃してしまい結果として企業の業績を上げる機会を逃すことにもなります。良い面に注目し、それを活かす方法を考えます。
②組織としての目標と個人目標
まず、組織としての目標を掲げます。その上で個人個人の目標を設定します。個人の目標は、その人の良い面、悪い面を理解し、強みを活かせるような目標にしましょう。事務系が得意な人と営業が得意な人。2人がお互いの長所短所を認め合い役割を分担することで組織としての生産性は向上します。ただし、個人の目標は組織の目標に連動していることが理想です。個々の目標が組織の目標達成につながるものになることがいいでしょう。また、個人目標はある程度数字化でき、達成の度合いが明確に出来る方がいいでしょう。
③目標達成の進捗は常に把握
人によっては個人の目標をすぐに達成してしまう人とそうでない人がいます。常に目標の進捗を把握して目標達成に弊害になっていることはないか?確認して達成のための支援を常に心掛けます。達成出来ないのは、支援が足りないだけかも知れません。
人事考課は、ボーナス査定を決めたり昇進を決めるだけのものではありません。個々の成長を促し、組織としての目標を達成させるための重要な話し合いの場です。
両面思考で考え個々の特性を活かした期待を相手に伝える場だと認識しましょう!
直接会うのと電話ではどちらの方が説得力があるのか?
直接会うのと電話ではどちらの方が説得力があるのか?
電話では相手の仕草や表情を読みとる事が出来ません。その為、人を説得するならば直接会って話し合いをした方が効果的。
というのは、間違いのようです。
意見の全く異なるペアにお互いの意見が一致するまで話し合ってもらうという実験が行われました。
1組目は電話で話し合いを。2組目はテレビ電話。3組目が直接会って話をするという内容です。
結果は、何と電話で話し合ったペアが最も早く意見が一致し、さらに相手に対して知性的である、信頼が持てる、誠実であると言った好印象を最も持つという結果になりました。
意見が全く違う場合では、相手の表情や仕草が邪魔になる事があります。眉間にシワをそせたり貧乏揺りされたらイラッとしますもんね。
冷静に意見の違う相手と話し合いをしたい場合には直接会うより電話での話し合いの方が結論も早く相手に悪い印象を持たせることも少なくなるようです。
あなたもそうかも!部下の粗探し上司!
部下のアラばかり探して指摘している上司。
嫌ですねー!
しかーし!!!実はこの粗探し上司はかなり多いんです!
特に業績が良くない会社、部署、店舗などで『やる気がある』上司に見られる傾向です。
サッカー観戦でもそうです。日本代表が勝った試合は活躍した選手を褒め称えます。多少のミスした選手もドンマイドンマイです。
ですが負けた試合となるとあの選手がシュートを外してなければ、キーパーがあのシュートを取っていれば…。ミスばかりがクローズアップされます。いいパスを何度も出した選手がいてもさほど褒め称えられることはありません。
新聞やスポーツニュースでも勝てば活躍した選手や監督の手腕を負ければミスや作戦が叩かれます。
ビジネスの世界も全く一緒!業績が良い時には頑張っている社員に目が行きますし業績が悪ければ悪い原因を突き止めようとするもの…。
サッカーの試合でも興味がなければどうでもいいのですが興味がある人ならミスした選手に罵声を浴びせるほど腹立たしいという人もいるでしょう。
人間の心理学上、業績の悪い部署や店舗を責任ある立場で任されたなら、まず良いとことではなく悪いところに目をやってしまいます。
そして、粗探しをして指摘していくわけです。
もう、普通そうなるんですね。別にその上司の性格どうこうではなく、良くしようとすれば普通そうなるんです。
しかし、多くの結果がどうなるか?
部下は、個性を殺し、やる気をなくし言いなりになるか、あるいは反発するか?
短期的には数字が上がることもありますが、長くは続かない場合がほとんどです。
あなたが業績の悪い部署や店舗を任されたなら、まず悪いところではなく良いところを見つけなければなりません。全体の数字は悪くてもいい部門はないか?なぜいいのか?もっと伸ばせるのか?いい社員はいるのか?
そして、そのいいところ、頑張っている社員を大切に伸ばす事から考えましょう。
部下の気になる所、全体の悪いところを指摘していくのは社員とのコミュニケーションが十分に整ってからです。
結果を焦るのであれば、なおのこと悪いところの改善ではなく、いいところを伸ばす方向で考えていくべきでしょう!
手に入らないレア商品が欲しくなる心理(心理的リアクタンス)
売り切れ続出の商品を探し回った経験ってないでしょうか?
実はその商品についてよく理解してないし、同じような物を持っているのに「ない」と言われると欲しくなる…。これって何故なんでしょう?
人はしつこく勧誘されると嫌気がさすのに、素っ気なく勧誘されるとその気になってしまう事があります。
このような心理リアクタンスの存在を証明する実験があります。
ある日に①〜④4種類の曲を聴かせてそれぞれの魅力度を審査してもらいます。翌日には、その中から1枚、気に入った曲の入ったCDをプレゼントすると伝えます。
しかし、翌日。こちら側の手違いで④のCDだけ手に入らなかったと伝えて、再度①〜④の曲を聴かせて魅力度を審査してもらいます。すると、手に入らなかったと言った④番の曲の魅力度がグンと上がったのです。
これは、ビジネスの世界でも応用が利きます。
何度接客しても買ってくれないお客さん。
「もう、生産終了でお安いのですから手に入らなくなっちゃいますよ。」
そう言っても買ってくれない。
ある日、そのお客さんが店頭に来ると商品には『完売』の張り紙が…。
それを見たお客は「いつ売れた?最後に販売した価格は?」と店員を質問責め。
「もうないと思いますけど、他店の在庫あるか電話で聞いてみます。」
「他の店舗に1つ残ってました。譲ってもいいとのことですがお買い求めになります?」
あの手この手で説得してもダメだったお客さんが即決で買う決心をするなんて事はよくあります。
人はいつでも買える商品よりも、もう手に入らない商品に圧倒的に魅力を感じる物です。同じ商品なのに…。
この心理リアクタンスの効果は応用も利きますので頭に入れておきましょう。
今や商品を売るだけでなくサービスを売る時代
大手の電気屋さんで買い物をすると長期保証というのをすすめられた経験があるのではないでしょうか?
今では、長期保証だけでなくインターネット回線やポイントカードの機能の付いたクレジットカード、パソコンのサポート、スカパーやBSの契約、さらにはお家のリホームまで進めてくることがあります。
今や家電量販店は家電製品を売るだけではなくその他のサービスにも力を入れている証拠です。
これは家電量販店に限ったことではなく、車の販売店でも同じような事が言えます。
トヨタ自動車のある販売店の利益配分は新車の販売のおよそ倍近くがメンテナンスによって稼がれているそうです。新車販売で1億稼いでたら2億近くメンテナンスで稼いでいるわけですね。
さらにローンや保険の手数料も含めると新車販売以外の利益の重要性は更に大きくなっていきます。
家電にしろ車にしろ商品をまず売らないと始まらないので商品販売の重要性はもちろんですが、ネットとの競合や車ではリース会社などの競合で店舗として利益を確保するにはサービス事業に力を入れないとやっていけない時代なのでしょう。
かつては、ガンガン販売する営業マンや販売員が重要視されてきました。しかし、サービスなしでは利益が取れない時代ではサービスを行えるスキルを持った人たちも重要になっていきます。
商品を売れ売れ!の時代では、売るための技術を社員に伝えてきましたが、これからの時代では、サポートやメンテナンスの出来る人達も育てていく必要があるのでしょう。
また、それらの重要性に気づいていない店舗経営者のお店には将来がないのかもしれません…。
営業マンや販売員が個人個人で売る時代から売る人、サービスする人と組織として売っていく時代になっていくことを理解しておく必要があるでしょう。
松下幸之助流・部下の叱り方
松下電器、今のパナソニックですね。その創設者は松下幸之助さん。経営の神様と言われる人です。
部下を持つ立場の人ならその部下の叱り方について誰しもが頭を悩ませた記憶があるのではないでしょうか?
叱りつけたら、その後、へそを曲げて更に言う事を聞かなくなった。陰口を言われて会社での立場が悪くなった。コンプライアンスに訴えられた、などなど。
では、経営の神様、松下幸之助さんはどのように部下を叱っていたのでしょうか?
実は結構めちゃくちゃです。
ある時腹を立てた松下幸之助は、持っていたソロバンで部下の頭を思いっきり殴ったそうです。
現在なら、コンプライアンスどころか新聞に出ちゃいますね。会社の代表が部下の頭をソロバンで思いっきり殴るんですからね。
さらにソロバンの玉がバラバラと飛び散り、部下は頭から流血!!!
しかし、松下幸之助がとった行動は、なんと流血している部下を放っておいて落ちたソロバン玉を追いかけたそうです。
無茶苦茶です!
しかし、部下はそんな彼について来た!何故でしょう。まぁ、カリスマ性っていうのもあるでしょうが、松下幸之助はどんなに怒った後でも決して後腐れなかったそうです。
怒った後でも、直後にはケロッとした顔で「ところで、話の続きやけどな」っと普通に仕事の話に戻ったそうです。
またある時は、怒られた社員が翌日に「昨日はすみませんでした」と頭を下げると「おー!私の言うことをちゃんと理解してくれてる何て大したもんや!引き続き頼むで」とニコニコして激励するそうです。怒られて部下はそれで「あの人はちょっと自分の事を見てくれている」と感じたそうです。
時代も違いますので、ここまで無茶は出来ませんが、叱った後のフォローが大切と言う事ですね。飴と鞭の使い分けをしっかりとし、怒る時は本気で怒る。しかし、その後のフォローは十分に行う事が大切でしょう。
使えない部下なんていない!
経営の神様といわれる松下幸之助さんのお話です。
松下電器には、気に入らないと平気で部下を殴るような荒くれ者の人物が経営陣に参画していたそうです。
今なら即刻クビですね。
なにしろ、労働組合との団体交渉で労働組合の委員長が気に入らないとぶん殴っちゃうらいしいですからね。
当時でもさすがに問題だったようで「あんなのむちゃくちゃだ!あいつの下で働きたくない」と松下幸之助のもとにも話が入ってくるほどだったといいます。
しかし、松下幸之助は「聖人君子では経営者なんて務まらん。そんな人材でもちゃんと使いどころはあるはずだ」と諭したそうです。
すぐに相手をぶん殴っちゃうような人の使い道がどこにあるのか?
1952年に松下電器はフィリップスと技術提携をします。髭剃りとかで有名な会社ですね。フィリップス。
当時は、松下電器よりもフィリップスの方が全然大きな会社です。しかも、フィリップスはオランダの大手電機メーカー。第二次世界大戦後の話ですからオランダは戦勝国。完全に松下電器を見下していたそうです。
フィリップスの会社から松下電器には、技術指導のためにエンジニアが派遣されていたそうですが、朝まともに出社すらしない・・・。
そこで、怒り狂ったのが例の「すぐに殴っちゃう人」だったんです。彼は、フィリップスのエンジニアが泊っている宿まで行ってエンジニアをぶん殴って連れて来たといいます。それ以来、エンジニアはちゃんと出社し技術指導もしっかりするようになったそうです。
ちなみに、その人は後に松下電器とフィリップスの合弁会社である松下電子工業の社長になったそうです。まぁ、ただ暴れているだけではない人だったんでしょうけどね。人をぶん殴っちゃうという社会人としてというより人としてどうなの?って人でも松下幸之助はちゃんと「使い道がある」と考えたわけです。
私の友人で電気屋さんに努めている人物からも同じような話を聞いたことがあります。
売り上げは一般社員の3分の1しか売らない。いつもテレビコーナーでテレビを見ていて動かないという社員がいたそうです。かといって簡単にクビってわけにもいかない。あの手この手でやる気を出してもらおうと画策するも全然ダメ・・・。
しかし、ある時、彼は交通事故にあってしまい1週間程度休んだ後、左手と左足にギブスをはめたまま出社してきたそうです。
そんな状態で会社に来られてもやれる仕事は限られているのでとりあえず「ゆっくりでいいから商品の品出しだけお願い」と伝えたそうです。
それまでは、テレビを見ているだけだった社員が品出しという仕事を与えたら意外としっかりやる・・・。
「あれ、こういう仕事が向いてるのかな?
なんて思っていたら、商品の品出しってケーブルとかパソコン用品とかいろいろあるのでテレビコーナーはもちろんパソコンやデジカメのコーナーまでいって品出しするわけです。すると、お客さんから声を掛けられるんですね。
今まではテレビだけ売って一般的な社員の3分の1しか売らなかった人がパソコンやデジカメもお客さんから声がかかるので売る!すると、他の社員よりも売り上げがよくなってまったそうです。品出しもするし売り上げもいい!元気なころより怪我してギブスはめたら優秀な社員に変わったと笑いながら喜んでいました。
使えない部下と思っているのは、もしかすると上司がその社員の特性を生かし切れていないだけかもしれませんね。