なぜ行列の出来るラーメン屋に並んでしまうのか?
なぜ、行列の出来るラーメン屋に並んでしまうのか?
「並んででも食べたいと感じる人が多いってことはそれだけ美味しいのだろう」と予想して自分も並ぶわけですね。
しかし、実際は、「自分の口には合わなかった」という人も多いのではないでしょうか?でも、きっと次も違う店で行列が出来ていると気になってしまう・・・。
実は、コレは心理学的に言うとヒューリスティックスという解決法によるものなのです。
人は、何かを決定するときに手間をかけてでも確実に正解を選ぼうとする場合(アルゴリズム)と少ない情報を手掛かりに短時間で決定してしまう(ヒューリスティックス)という方法で問題を解決します。
例えば、車などといった大きい買い物は後で後悔しないように多くの情報から正解を選ぼうと考える人が多いはずです。コレは、アルゴリズムの解決法です。
しかし、失敗してもさほどデメリットがない場合は、少ない情報でも短時間で選ぼうと考えます。コレは、ヒューリスティックスです。
美味しいラーメンが食べたいと考えた場合、もし、マズくても数週間も数か月も引きずるほど後悔はしないはず。そこで少ない情報であり、必ず正解にたどり着けるわけではないが、概ね効率よく正解にたどり着く方法を選びます。
おいしいラーメンを選ぼうと考えた場合、アルゴリズムだと1件、1件食べ歩き、確実に自分の好みのラーメンを見つける。しかし、これでは時間と労力、経済的にも途方もない。そこで、多くの人はヒューリスティックスの方法を選ぶのです。
このヒューリスティックスも代表的ヒューリスティックスと利用可能性ヒューリスティックスというのがあります。
ラーメン屋の行列の場合は、代表的ヒューリスティックスとなります。
おいしいラーメンを食べたいと考えた場合、おいしいラーメン屋の代表的な特徴をイメージします。その中に「行列」というものがあるわけです。ですから、行列=おいしいと考え、並んでしまうわけですね。行列がないお店ばかりの場合でも美味しいラーメン屋の特徴で「行列」以外の光景を思い浮かべ、例えばテレビでやっていたおいしいと有名なラーメン屋に似た看板や店構えといったもので判断し、その店に入る場合もあります。
つまり!!!
自身の店を繁盛させたいと考えるのであれば、お客さんがイメージしているその分野のよいイメージの店に近づける必要があるわけです。
おいしいラーメンであれば、「行列」「看板」「流行りの○○系ラーメン」「清潔」と人によってイメージする光景は違いますが多くの人が考えるおいしいラーメン=○○に自身の店を近づける必要があります。
電気屋なら安い電気屋でお客さんがイメージする光景。「大きい店」「プライスが大きい」「山積み」「ワゴンセール」など・・・。
洋服屋さんで沢山のお客さんに来てほしいなら「店員がおしゃれ」「照明がキレイ」「手頃な価格」「入りやすさ」といった多くのお客さんが好むお店のイメージに近づけることが大切です。
*ちなみに利用性ヒューリスティックスとは、複数の事柄を比較する際に思いつきやすい例が多い方が実際に興る頻度も高いと考える手法です。例えば、男性50人と女性50人の名前を並べて女性の名前のうち10名を有名女優としていた場合、その名前を見て男女どちらが多かったかを問うと自分の知っている名前の多かった女性の方が数が多かったと勘違いする人が多いといったものです。