クレーマー心理学的対処法
商売をしている以上、クレームは必ず発生します。
最近では、モンスタークレーマーなどといって、とんでもない要求をしてくる人もいますね。
このクレーマー対策には、そもそも相手がなぜ起こるのか?を理解していないとうまく対応できません。
心理学で「内的コントロール」と「外的コントロール」というものがあります。
コントロールというのは、行動によって望み通りの状況を作り出すこと。
「内的コントロール」の人は、物事をコントロールしているのは自分自身であると考える傾向が強く、「外的コントロール」の人は物事をコントロールしているのは、自分以外のものであると考える傾向が強い人をいいます。
内的コントロール型の人は、自分が日頃からコントロールしているという感覚が強いので、多少コントロール感覚を失っても、それを取り戻すために「怒る」ということは少ないです。
しかし、外的コントロール型の人は、自分に少ししかないコントロール感が奪われるととり戻さなければ!と「怒る」わけです。
では、このコントロール感を失った。思い通りになってないと怒る人にはどう接すればいいのでしょう?
心理学の本には必ず出てくる「フット・イン・ザ・ドア」という方法が効果的です。
これは、小さな要求から始め最後に目的の要求をのませるという方法ですが、たとえば、1000円を友人から借りたい場合で貸してくれそうにない場合。
「自販機どこにあるんだっけ?」
『すぐそこだよ』
「あれ?財布忘れた!120円貸して明日返すから」
『しょうがないなぁ』
「あー!財布ないから電車賃もないや!頼む1000円貸してくれ」
って具合です。逆にドア・インザ・フェイスというものもありますが、これは逆で大きな要求を断らせて小さな要求をのませる方法。これは、1万円貸してといって断らせてから、じゃ、1000円ならいいでしょ。と相手の「断って申し訳ない」という心理をついたものです。
クレーム対応には、フット・イン・ザ・ドアで対処します。
まずは、相手の話を黙って聞くことです。相手は、自分のコントロール感を取り戻すために怒っているわけですから、それを途中で遮ると更に起こります。黙ってうなずいているだけで相手はコントロール感を取り戻し始めたと無意識に感じ落ち着きます。
次に徐々に相手に対して「了承」や「同意」を求める言葉を投げかけます。
相手に「そうだ」とか「その通りだ」とか言わせるように仕向けるわけです。
「確かにお客様のおっしゃる通りです。ここがおかしいというわけですよね」
「なるほど、こう理解しましたが間違いないでしょうか?」
徐々に了承や同意を得て、最終的には用意していた「落としどころ」つまり、こちらで最低限できる対応に持っていくことがベストです。
クレーマー対応には、まず黙って聞く。しかし、あまりにこちらが「申し訳ございません」の連呼では、相手を調子に乗らせとんでもない要求が来てしまう恐れもあるのでタイミングを見て相手が了承や同意を必ずするような質問から始め、最終的に落としどころで納得してもらうわけです。
難しいようですが、意識さえしていれば、慣れてきて自然とできるようになってきます。クレームの対処になれるのも嫌ですけどね・・・。