店長の品格

毎日の営業ご苦労様です!店長として苦悩する毎日ですが、共に苦労している皆さま。また、将来は店長をめざす皆さまといっしょに自分が学んだことを日記に記していきます。

顧客の引継ぎに重要な心理学「自己重要感」

営業などでは、必ずある「顧客の引継ぎ」。新しい担当者にしてみたら、相手がどんな人物かもわからない・・・。また、元の営業のどこを気に入っていたのかもわからない・・・。

 

価格を安くしていたからなのか?個人的な付き合いもしていたのか?年齢が近いから?

 

元の営業も細かなところまでは教えずに引き継ぐことも少ないないでしょう。ですから、どんな「ノリ」で対応すればいいかもわからず、結果、引継ぎがうまくいかなかった。なんてことも少なくないはずです。

 

しかし、これはお客さんの方にしてみても同じこと。

 

新しい営業さんがどんな人かわからないわけです。

 

心理学で「自己重要感」というのがあります。「自分の知っている人だから大丈夫」と考える心理です。「知らない人」から提案されることより「知っている人」から提案された方が間違いないと考えるわけです。

 

顧客にとって新しい営業は「知らない人」。元の営業は「知ってる人」です。

 

この「知らない人」が「知ってる人」に変わるまではしっかりとした引継ぎを行う必要があります。

 

何をいくらで買ってくれたのか?何が好きなのか?どれくらいの頻度で訪問したのか?どんな話題が好きか?

 

これらを熟知しているとしていないでは、「知らない人」が「知ってる人」に変わるまでの時間が圧倒的に変わってきます。

 

また、これは営業の顧客引継ぎだけにとどまりません。

 

たとえば、電気屋さんでテレビを購入した場合。インターネットや携帯電話、最近ではリホームなどを提案してくるケースがあります。この時、「では、詳しいものに変わりますので」とインターネットやリホームの担当者に変わる場合がありますが、この時にテレビを担当してくれた販売員がどこかに行ってしまうことがあります。

 

テレビを接客してくれた販売員は顧客にとって「ちょっと知ってる人」です。いきなり、出てきた新しい担当の人は「ぜんぜん知らない人」。テレビを買った顧客は、その接客してくれた担当者を信頼したわけですので、よほどのことがない限りは、お客さんの近くで一緒に話を聞くべきでしょう。

 

長い付き合いの顧客の引継ぎだけではなく、何かを買ってくれたお客様に対してのその日だけの引継ぎに関しても大小あれ「自己重要感」は存在します。

 

それによって、テレビを買ってくれた顧客がインターネットの契約やリホームの検討をしてくれるか?車検のお客様に新しい車が販売できるか?などなど成約率にも関わってきます。

 

顧客を引き継ぐ際には、「自己重要感」これを頭に入れておきましょう。

クレーマー心理学的対処法

商売をしている以上、クレームは必ず発生します。

 

最近では、モンスタークレーマーなどといって、とんでもない要求をしてくる人もいますね。

 

このクレーマー対策には、そもそも相手がなぜ起こるのか?を理解していないとうまく対応できません。

 

心理学で「内的コントロール」と「外的コントロール」というものがあります。

 

コントロールというのは、行動によって望み通りの状況を作り出すこと。

 

「内的コントロール」の人は、物事をコントロールしているのは自分自身であると考える傾向が強く、「外的コントロール」の人は物事をコントロールしているのは、自分以外のものであると考える傾向が強い人をいいます。

 

内的コントロール型の人は、自分が日頃からコントロールしているという感覚が強いので、多少コントロール感覚を失っても、それを取り戻すために「怒る」ということは少ないです。

 

しかし、外的コントロール型の人は、自分に少ししかないコントロール感が奪われるととり戻さなければ!と「怒る」わけです。

 

では、このコントロール感を失った。思い通りになってないと怒る人にはどう接すればいいのでしょう?

 

心理学の本には必ず出てくる「フット・イン・ザ・ドア」という方法が効果的です。

 

これは、小さな要求から始め最後に目的の要求をのませるという方法ですが、たとえば、1000円を友人から借りたい場合で貸してくれそうにない場合。

 

「自販機どこにあるんだっけ?」

『すぐそこだよ』

「あれ?財布忘れた!120円貸して明日返すから」

『しょうがないなぁ』

「あー!財布ないから電車賃もないや!頼む1000円貸してくれ」

 

って具合です。逆にドア・インザ・フェイスというものもありますが、これは逆で大きな要求を断らせて小さな要求をのませる方法。これは、1万円貸してといって断らせてから、じゃ、1000円ならいいでしょ。と相手の「断って申し訳ない」という心理をついたものです。

 

クレーム対応には、フット・イン・ザ・ドアで対処します。

 

まずは、相手の話を黙って聞くことです。相手は、自分のコントロール感を取り戻すために怒っているわけですから、それを途中で遮ると更に起こります。黙ってうなずいているだけで相手はコントロール感を取り戻し始めたと無意識に感じ落ち着きます。

 

次に徐々に相手に対して「了承」や「同意」を求める言葉を投げかけます。

 

相手に「そうだ」とか「その通りだ」とか言わせるように仕向けるわけです。

 

「確かにお客様のおっしゃる通りです。ここがおかしいというわけですよね」

 

「なるほど、こう理解しましたが間違いないでしょうか?」

 

徐々に了承や同意を得て、最終的には用意していた「落としどころ」つまり、こちらで最低限できる対応に持っていくことがベストです。

 

クレーマー対応には、まず黙って聞く。しかし、あまりにこちらが「申し訳ございません」の連呼では、相手を調子に乗らせとんでもない要求が来てしまう恐れもあるのでタイミングを見て相手が了承や同意を必ずするような質問から始め、最終的に落としどころで納得してもらうわけです。

 

難しいようですが、意識さえしていれば、慣れてきて自然とできるようになってきます。クレームの対処になれるのも嫌ですけどね・・・。 

 

パレートの法則(80対20の法則)をビジネスで本気活用!

パレートの法則は知っている方も多いでしょう。80対20の法則という方で覚えている方もいるかもしれません。

 

このパレートの法則とは、世の中の多くの物が80対20。あるいは、8対2の法則で説明が出来てしまうというものです。

 

パレートの法則はおよそ100年ほど前にイタリアの経済学者であるヴィルフレド・パレートによって提唱されました。

 

パレートの家の庭でできるエンドウ豆を観察していると8割ほどの身の詰まった豆は全体の2割ほどしかないことに気がつきます。これがヒントとなり、パレートはもっと多くのことに、この8:2の法則は当てはまるのではないかと考え研究していくとイタリアの国土の8割が2割の人々によって所有されていることなどありとあらゆるものに8:2の法則が当てはまることに気がつきます。

 

ビジネスの社会に当てはめると売り上げの80%は20%の顧客が生み出していること。売り上げの80%は20%の製品が生み出しているなどが有名ですね。

 

クレームの80%が20%のお客さんによって生み出されているなどというものもあります。

 

では、これをどうやって活用していくのか?

 

売り上げの80%は20%の製品で生み出しているわけです。実際にお店の売り上げと売れている商品を見ていくとよくわかります。数字を見ないとなんとなく、「これとこの商品はよく売れるな!」くらいですが、実際に100アイテムの商品があれば、その中の20アイテムほどで全体の売り上げの80%を占めていることがわかります。

 

この売れている2割の商品をないがしろにはできません。

 

ちょっとわかりやすくいえば、50人程のメンバーがいるアイドルグループ。おそらくは、その中の9から10人ほどが人気の80%ほどを独占しているのではないでしょうか?

 

あなたが、そのアイドルグループのプロマイド写真を売ってこい!といわれ何の知識もなく人気のメンバーではないプロマイドを持って売り歩いていたらどうでしょう?思うようには売れないでしょう。

 

まず、あなたは市場で何が人気なのかを調べる必要がありますね。売り上げの8割を占めている2割の商品を知っていなければなりません。それをしっかりと店頭でお客さんにわかるように展示する必要があります。

 

しかし、問題がでてきます。アイドルグループで人気のメンバーのプロマイドは、あっちでもこっちでも売っています。すると、どうなるか?価格競争です。向こうの100円で売っていたら90円の値札をつけなければ売れません。

 

もはや、利益は下がってもそうするほか売る方法がないわけです。もし、大量に売る実力があなたにあるのであれば、プロマイドを大量に注文し、下がった利益分以上に売ればいいだけの話・・・。しかし、それができないようなら付加価値をつけることを考えるはずです。写真にアイドルのサインをもらえれば10倍の1000円でも売れるでしょう。

 

ですが、実際の商品に付加価値をつけるというのは難しい・・・。

 

それならば、似ている商品を売り出すべきです。

 

人気NO1のアイドルメンバーの写真はどこよりも安く80円で売り出します。しかし、そのメンバーの隣に同じくらい可愛いけれどのまだ新人で人気のないメンバーの写真を70円で売り出します。人気がないので仕入れは安いはずです。人気NO1のアイドルの写真も売れますが、その中で10%くらいは「こっちの新人の子のも買ってみようか」となるはずです。

 

つまり、パレートの法則で80%の売り上げを占める20%の商品は決してないがしろにしてはいけませんが、その20%の商品は価格競争も激しい商品です。

 

その商品付近に似通った商品で自信のある商品。プライベートブランドなどを置き、そちらもお試しいただく必要があります。

 

20%の商品を足掛かりとして自社にしかない商品、他店がないがしろにしている商品。利益のある商品を売り出すことが売り上げと利益を伸ばすコツとなってきます。また、他が力を入れていない商品を気に入っていただければ、リピーターとなっていただけるチャンスにもなるわけです。

部下に高圧的な態度をとる上司は正解か?

言ったことをやらない。時間を守らない。こういった部下がおり、頭を抱えている中間管理職の方は多くいるでしょう。

 

では、こういった場合に部下に対して高圧的な態度をとることは意味があるのか?

 

実は効果的です!

 

心理学的にも実験がされております。賃金交渉にて一方は非常に穏やかな上司の元賃金交渉が行われ、もう一方は高圧的な態度で部下との賃金交渉を進めると穏やかな上司の元、行われた賃金交渉では部下の要求にあった賃金が支払われることになりましたが、高圧的な態度の上司の元、行われた賃金交渉はほぼ上司の言いなりの賃金交渉に終わりました。

 

これは、相手に高圧的な態度をとられると、とにかくその場から逃げ出したいという心理が働くためだと言われています。

 

つまり、強引にでも部下に言うことを聞かせるのであれば、声を低くゆっくりと眉間に皺を寄せて言い聞かせれば、相手は言うことを聞くと言うわけです。

 

ただし、頻発していると相手も慣れてきます。さらには、思わぬところからの攻撃なんて事も考えられますし、相手の成長も、怒るばかりでは見込めません。

 

高圧的な態度はここぞと言う時には有効ですが、使うタイミングを間違えないよう心がけましょう。

 

買う気のない相手をその気にさせる。リピート話法とは

リピート話法とは、リピート。つまり、繰り返すという意味です。

 

これは、心理学的にも立証されており、ケント大学で実験も行われました。

 

ある映像を数人の人物に見せます。その映像に出てきた人物は、素手だったのですが、映像を見終わった後に「あの人は手袋をはめていた」と間違った情報を与えます。

 

すると、1度だけ間違った情報を与えられた被験者よりも3度繰り返し間違った情報を与えられた被験者の方が6倍以上も「そういえば、あの人は手袋をはめていた」と間違った情報に支配されてしまったのです。

 

これは、営業や接客業にも十分応用が利きます。

 

「この乳液を寝る前につけるだけで、翌朝お肌の調子が完璧になります。」

 

なんて、言われても「ウソっぽい」って思ってしまいますね。

 

 しかし、「ちょっと、つけただけで潤っているのがわかりませんか」

 

と言われれれば、「そうなのかもしれない?」と感じてしまいますね。

 

「右手に乳液をつけて、左手と比べるとわかりやすいですよ。ほら、全然違うでしょ」

 

と言われたら、ホントに違うと感じてしまいます。

 

「どうでしょう。これを使ってもっと綺麗になりませんか」

 

最初は嘘くさいと思っても3回も繰り返されるとその気になってしまうわけです。

 

電気屋さんなんかでも使えます。

 

「このスピーカーは、メチャクチャ音がいいんですよ。」

 

「どうです?わかります?音の広がり・・・。いい音でしょ」

 

「このいい音でクラシックなんて聞いたらオーケストラが家にきたようですよ。」

 

目で見て明らかな違いが分かる商品なら別ですが、感覚など、あいまいな価値観が売りの商品では非常に有効です。

ザイアンス効果をビジネスで活用するには

ザイアンス効果(単純接触効果)というのをご存知でしょうか?

 

アメリカの心理学者、ロバート•ザイアンスが論文で発表し有名になった法則ですが、人は初めて興味がなかったり、苦手だったものも、何度もあったり触れたりしていると良い印象になってくるというものです。

 

音楽など分かりやすいですね。何とも思ってなかった歌でもCMやドラマで何度も聴いていると好きになってきたりします。

 

これは味や服などあらゆるもので起こる効果です。結婚して始めは妻の料理が口に合わなかったけど、10年もしたら実家の母親の味付けがおかしく感じて妻の料理の方が好みになったとか、サラリーマンではスーツ着てないとやる気が出ない何てものも、このザイアンス効果によるものです。

 

では、これをビジネスに応用できるかと言うとめちゃくちゃ出来ます。

 

まぁ、CMなんかは、モロにザイアンス効果ですね。繰り返し見せることによって欲しくさせます。

 

営業でも同じです。買う気がないのに何度も足を運んでくる営業。買った後にも何度も電話してきて操作方法などを教えてくれる街の電気屋さん。意図してるかどうかは別として経験的にザイアンス効果を使っているわけです。

 

最近ではスマホのLINEやアプリ登録を促す店舗も増えています。これなんかもザイアンス効果です。スマホは毎日目にしますからね。アプリのアイコンや定期的に送られるLINEでの割引券など単純接触効果を用いているわけです。

 

本社からアプリのダウンロードの目標なんかが設定されている店舗もあるようですが、そんなの意味ないよーと思わず積極的にダウンロードして貰うべきです。ザイアンス効果は、すぐに結果が出るわけではありませんが、心理学的にも効果のある販促なのです。

人は安さではなく値引きの理由で購入する

家電屋さんに勤めている友人にこんな話を聞いたことがあります。

 

冷蔵庫を誤って開梱してしまい店頭に2つ同じ商品を展示することになったそうです。しかし、2つも同じ商品を展示していても仕方がないので展示未使用品として10%値引きし値段をつけたところその日のうちに販売できたということでした。

 

その冷蔵庫は、月に2本も売れればいい方。新品を交渉で10%値引きしたところで早々売れる物ではないそうですが、新品を正規の値段で。その隣に展示未使用品として10%値引きした商品を置くことでお客さんとしては比較できるものがあり、さらには正直に間違って開梱してしまったことを伝えたために、その値引きの理由に納得して購入したということでしょう。

 

他の業種でもよくある事です。「間違って大量に発注してしまいました。助けてください!」などPOPとともに大量に積まれた在庫とちょっとだけ値引きしたプライスを貼ったらすぐに売り切れたとか、アウトレット品で去年の製品を大量に並べたらお客さんが群がったとか。

 

同じ10パーセント引きでも一方はただ10パーセント値引きと書いた物と「キズありのため10パーセント値引き」と書いたものでは、値引きの理由に納得してもらえれば後者の方がよく売れます。

 

販売業の方なら経験している事かとも思いますがこれは応用も聞きますので頭に入れておきましょう!